ADDressLife

ADDressを始めて、一ヶ月ほど経った時、福井県の鯖江にある家を利用しました。

ADDressには家ごとにレビューがあるのですが、鯖江は評判がよく、ぜひ行ってみたいと思っていました。

そして、合計10日ほど滞在したのですが、ADDressってこれか!とやっとADDressの醍醐味を味わえた気がしました。

家守さんの心遣い

ADDressには、家ごとに家守(やもり)さんがいます。簡単にいうと、その家の管理をしてくれている人です。シーツを洗ったり、注意事項など家の説明をしてくれたり。家によっては、家守さんが常に住んでいる場合もあります。

鯖江の家守さんは、元学校の先生で、定年退職されてADDressの家守をされています。
この家守さんのおもてなしが素晴らしくて、僕は感激しました。

まず、到着日。駅から家までがバスで20分ほどの遠い拠点なのですが、家守さんが事前にメールで迎えに行きますよーと連絡してくれて、車でお迎えいただきました。

で、先に他の滞在者たちが3人いたのですが、普通なら輪に入っていくのが苦手な僕なので、多分夕食後部屋にこもって交流するのは明日でいいか、、と躊躇していたと思います。
しかし昼間に、家守さんが、今日は「へしこ(福井の郷土料理)」あるから一緒に食べましょうと一声かけてくれていたので、なんとなくダイニングの方に行きやすく、自然と輪の中に入ることができました。

話も適度に振ってくれて、先にいる滞在者たちに、家守さんがうまく僕を溶け込ませてくれる、そんな心遣いを感じました。

話してみると、先に滞在していた方々もすごく自分にとって波長の合う方で、穏やかな素敵な方々だったのでそれも相まって、居心地よく過ごすことができました。

結局その日はお酒を飲みながら0時ごろまで穏やかに会話してすっかり安心して眠りました。

サービス精神旺盛な家守さん

翌朝9:00ごろ、家守さんが来られてコーヒーを淹れています。
みんなのために。毎朝淹れにきてくれているというのです。

なんとっ!ボランティーアの精神がスーバラシー!
と変な感じになりましたが、最高じゃないですか。越前焼のカップが飾られており、どれでも好きなの使っていいとのことで、その越前焼のカップでコーヒーをいただきました。

そして、観光まで案内してくれるというじゃありませんか。

500円のガソリン代だけで、福井のどこでも車で連れて行ってくれるというのです!
サービス精神旺盛が過ぎます!ちゃっかり連れて行ってもらいましたけど、3日ほど(笑)

元先生ですから、色々歴史も詳しく、ガイドしてくれて、コースも決めてくれて、途中のランチとかスイーツ的な店まで網羅してくれて最強です(笑)

なんかすみません、こんな無職のために。。

素晴らしい人だなーと改めて思います。この時はまだ知らなかったんですが、ADDressにはこんな人があちこちにいるらしいじゃないですか。もうADDress辞めれない!

という感じで、この鯖江拠点に来て以降、アドレス生活にやっと慣れてきたというか、徐々に溶け込めるようになってきた気がします。アドレスの醍醐味を経験できたからだと思います。未だに臆病になる時はありますけどね。まぁそれはそれでもいいかと思っています。

あ、あとこの拠点で、屋根に登ってコーヒーをみんなで飲んだり、ご近所のお年寄りと花札をして遊んだり、2階がギャラリーになっているので、伝統工芸にも触れることができたり、なんだかずっと居たくなる家だなぁと感じました。

家自体も綺麗なので、ぜひADDressをされるならご利用されてはいかがでしょうか。

ギバー

ギバー。柳葉敏郎ではありません。
【ギバー】与えることに対し、見返りを期待することもなく、手を差し伸べる、言わば”奉仕する人”。

鯖江にいた時は、このギバーという言葉は浮かんでこなかったのですが、ADDress生活を進めていくうちに、こんなにもみんな与えてくれるのかと感激することが多々あり、ギバーという言葉に辿り着きました。

一緒にどうですか?と料理を出してくれたり、お昼ご飯お裾分けしてくれたり、いつの間にか自分の食器片付けてくれてたり、本くれたり、写真くれたり、なんか色々あるんです。

その度にこの人素敵な人やな〜と圧倒的に印象に残るのです。

ある時、派遣でリモートワークしている20代後半の女性と一緒になりました。僕は移動する日だったので、リビングで仕事していたその子と少し話をしながらいつ出発しようかな〜と考えていたのですが、居心地が良くて、いつの間にか12時を過ぎていました。

彼女は昼ごはんを作り出したので、自分もどこか移動途中に食べようかとスマホで調べていると、ポンと目の前にサーモンの漬け丼と味噌汁を出してくれて、「食べます?サーモン安かったから…いっぱいあるので…」という感じでお昼ご飯を出してくれたのです。

僕は全く予想しておらず驚きました。まさか昼ごはんを作って出してくれるとは(泣)

無職を哀れんでいるわけではなく(たぶんですけど笑)、純粋な心、見返りなんか求めてない心遣い、僕はこの上なく感動しました。嬉しかったし、美味しかった。食後にお茶まで出してくれる気遣い。

同時に、自分ってちっぽけやなと感じました。自分と約10年も生きてきた時間が違うのに、彼女の経験値の方が圧倒的に高く、お金を基準に生きていない。正直、20代の派遣の子と、無職といえどこれまで働いてきた蓄えは少なからずある37歳。退職金も100万円が入ったばかり。お金を基準に考えると僕の方が余裕があるし、「年上のあんたが私に与えてくれるのが普通やろがい!」と自分が彼女の立場なら思っていたかもしれない(笑)

でも心の余裕はまるでない。彼女の方が余裕があり、豊かさを感じた。

情けないなぁ。けど、自分がやるべきことが少しわかった気がしました。その数時間のあいだの出来事が自分を変えていく。その子はサラッと自然にやってるんやと思うけど、凄い人やと思う。こんな行き場のない無職の人生を変えてくれた人、に近い将来なるかもしれない。そしていつか恩返ししたい。

そんなことがあり、見返りを求めるわけではなく、お金ではない何かを与えてくれる人達。自分もそんな風になりたい、といつしか思うようになりました。

僕は何も与えてこない人生やったので(振り返ると多分)、もらうことばかり考えていました。与えれるものも何も持ってないと思っていたし。だから余計にそういう人を尊敬します。

これは、人生のテーマになりそうです。

誰でも、与える何かを持っている。自分も小さなことでいいから与えていこう。

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